尾行調査の不可抗力・前編

探偵が実施する尾行調査においては相手を見逃さずにそして察知されずに尾行を継続して行き、行動をマーク、そして御依頼者の希望する状況になった時にその証拠となる写真や映像を撮影していくことが尾行調査の目的です。

しかし、探偵のどのような技術を持ってしても尾行を中断しなければならない状況がいくつかあります。

対象者が迎えに来た車やバイクに乗られたケース

対象者が電車を利用して移動した先に車やバイクが迎えに来ており、それに乗り換えられたケースです。

対象者が調査開始場所より車両などを使用するのであれば、探偵もそれなりの準備をして調査に望みます。

しかし、対象者が電車で移動、当然、探偵も一緒に電車で尾行をしていきます。

例えば探偵の調査車両を準備していたとしてもまず移動している電車から連絡しても間に合うものではありません。

ある駅にて下車、その駅周辺に車が迎えに来ており、それに乗り換えられると殆ど尾行がその時点で終了してしまいます。

たまたま駅前に迎えに来ており、タクシー乗り場が近くにあれば対応が効くかもしれませんが東京都内や近郊の駅では殆どが駐停車禁止場所に設定されており、なかなか都合のよい状況はありません。

少し歩いていき、そこに停車していた車両に乗り込まれると運良くタクシーでも来ていない限り、尾行は中断してしまいます。

探偵は対象者が乗った車両のナンバー、車種、更に迎えに来た運転手の特徴を最低限でも押さえなければなりません。

しかも、写真や映像として残すことも忘れてはなりません。

よくドラマなどでは探偵がその辺にいる一般の車両の運転手に協力して貰うなどのシーンもあるかもしれませんが現実には協力をして貰うことなどは絶対にありません。

これは不可抗力による調査の中断とご理解してもらうしかないのです。

路上よりタクシーに乗車されたケース

前もってタクシーを頻繁に利用する対象者であればバイクや調査車両を用意しておくことは容易いのですが少し歩かれてからや別の目的地に移動した後にタクシーを利用されるケースもかなり厄介です。

前述したように目的地の駅のタクシー乗り場から乗車された場合は殆ど後続のタクシーにて追尾していくことも可能です。

ところが路上から突然、タクシーを拾われるケースでは後続のタクシーがすぐに拾えないという場合も多々あります。

バイクを容易していないのかと疑問をお持ちになる方もおられるかもしれません。

しかし、タクシーを拾うという状況はあくまでも結果論で歩いている対象者の後を常にバイクを押して尾行するとなるとこれまた目立つ行為です。

小さいバイクでは?

とも考えられるかもしれませんがタクシーに乗って高速道路に入ればこれまたその時点で調査はできません。

ある程度の排気量のあるバイクが必要となってくるのです。

しかも電車に乗るために駅に行った場合、これこそ邪魔な存在となってしまいます。

東京などの大都心ではバイクでもその辺に駐輪すればすぐに駐車禁止となってしまいます。

ですからバイク要因として常に調査員を1名確保しておくこととなります。

これまた御依頼者の負担にも繋がります。

また対象者がタクシーで移動した際に探偵も後続のタクシーに乗れたとします。

しかし、ここからが更に問題ありきなのです。

それはタクシーの運転手さんの技術的なことです。

確かにタクシーの運転手さんの運転技術はある程度は認めます。

しかし、尾行する運転の技術はありません。

まして違反すれすれの運転をしてくれるかなど望めません。

運転手さんの生活がかかっていることなのです。

探偵が行う車の尾行では多少、スピードを出したり、信号無視まではしなくても強引な運転をしなければ追尾は困難です。

ここまでしてくれる運転手は正直少ないということです。

結果的には後続のタクシーが拾えたとしても安全運転する運転手のタクシーではまず尾行は困難で後続の運転手次第という不可抗力的な要因になりかねないのです。